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《学びの森の生態図鑑 No.4》
宮城県 蔵王町にあります「宮城県蔵王野鳥の森自然観察センター ことりはうす」から季節の「いきもの」同士のつながりを紹介いたします!
ことりはうすの前には「コブシ」の木とその下に小さな池があります。今回はここの「コブシ」育む命、池の「いきもの」の様子を紹介します。
コブシの木とコブシの花
写真左上のように、ことりはうすでは4月に白い花を咲かせる「コブシ」。名前の由来は諸説あるようですが、「コブシ」の実は、本当に握りこぶしのようにゴツゴツしています(写真2枚目参照)
アカスジキンカメムシがついたコブシの実
ゴツゴツした実には「アカスジキンカメムシ」というカメムシが果実の汁を吸っています。
「アカスジキンカメムシ」の成虫は緑色の体に赤い帯の模様が美しいカメムシです。
コブシの木にできたモリアオガエルの卵塊と孵化したおたまじゃくし
前回のご紹介した、「コブシ」の木に産卵されたモリアオガエルの卵塊です。こちらの写真では、オタマジャクシが卵から孵り、池にポタポタ落ちているところです。
モリアオガエル孵化後池で待ち受けるものたち
池の中では、いろいろな生き物が、落ちてくるオタマジャクシを狙っています。写真はマツモムシに捕らえられたモリアオガエルのオタマジャクシです。他にもアカハライモリなどが狙っていて、無事に生き残るのは何匹でしょうか。マツモムシもアカハライモリも生きるためにオタマジャクシを糧としています。
コブシの木の葉っぱでつくるゆりかご ヒゲナガオトシブミ
「コブシ」の葉っぱを見てみると、小さな虫が葉っぱを切っています。これは「ヒゲナガオトシブミ」のメスが、卵を産むための揺籃(ようらん)つまり、赤ちゃんを入れるゆりかごを作ろうとしています。メスが葉っぱの根本を切り始めると、傷つけられた「コブシ」の葉が放つ物質によってオスが誘引されてくるのだとか。
落とされたゆりかご
オトシブミの仲間は葉を切り落としてゆりかごを落とす種と葉っぱにそのままつけている種があるそうです。「ヒゲナガオトシブミ」は切り落としてしまうタイプのようです。
コブシの葉に止まるトンボ
今の季節は「トンボ」がたくさん木や葉に止まっています。「コブシ」の木にもたくさんの「トンボ」がとまりにきています。
(写真・解説の提供:宮城県森林インストラクター協会)