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《森の植物の歳時記》 [286]【クララ】別名 クサエンジュ(草槐)

ちょっと洋風な名前と思われる方が多いのですが、日本在来の植物で、日当たりの良い草原などに自生します。「放牧や採草などに支えられた草地が育む命」と表現されることもあります。そうした環境が少なくなった現在、目にする機会が少なくなっています。

は人参のように太くなり、噛むと目がくらむほど苦いことから、眩草(くららぐさ)が詰まった名前といわれています。中国から渡来したエンジュ(槐)に葉や花が似ていることから、クサエンジュ(草槐)と呼ばれることもあります。

漢方では根を乾燥させたものを苦参(くじん)といい、健胃・利尿・解熱・鎮痛薬として処方されますが、安易な素人療法は危険も伴います。有毒成分も含みますから、口にはしないよう注意が必要です。

古くは、根を煎じた汁が家畜のダニ取りに使われたり、乾燥させた葉を刻んで便槽に入れて除虫に使われたりしていました。ウジコロシ(蛆殺し)、ハエトリグサなどの名で呼ばれることもある由縁です。

そのクララを幼虫が食草としているチョウ、オオルリシジミも激減しており、熊本県阿蘇地方では条例で捕獲が禁止されています。



クララ     

















廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

 


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