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《森の植物の歳時記》[261]【カラタチ(唐橘 枸橘)】

“カラタチの花が咲いたよ 白い白い花が咲いたよ”

北原白秋 作詞、山田耕筰 作曲の童謡を口ずさまれた方がいらっしゃるのではないでしょうか。山田耕筰が千葉市幕張の小学校に通っていた時の光景からイメージされた曲と伝えられています。幕張には、今でもカラタチが植えられている公園があり、季節には白い花の芳香が漂います。

“カラタチのとげはいたいよ 青い青い針のとげだよ”と続きます。

枝に付く鋭い刺は3㎝にもなり、かつては生垣に植えられて泥棒除けにされていましたが、生垣の少なくなった近年では、見かけることは少なくなっています。

原産地は中国の長江(揚子江)上流域で、日本への伝来は古く、8世紀頃には伝わっていたとされており、万葉集にもカラタチを詠んだ歌があります。

花後、球形で毛に覆われた果実をつけますが、種が多いこと、酸味と苦味が強いことなどで、生食には不向きです。

柑橘類の栽培時に、台木にされます。カラタチを台木にした苗は病気に強く、早く結実するという利点が確認されています。一方、ユズやナツミカンなどを台木にした苗に比べると、寿命が短いという欠点も報告されています。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)



カラタチ   



















 


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