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《森の植物の歳時記》 [258]【ムスカリ】 

地中海沿岸から西アジア周辺が原産の植物です。

花の香りがムスク(じゃ香)の香りに似ることからの名前という説があります。

イラクの遺跡から多く発見された数種の花粉の一つがムスカリであったという報告があります。故人に手向けられた花なのではないかとの推測もされています。

耐寒性、耐暑性に富んでおり、土もあまり選ばないので栽培がしやすく、お庭や公園などに多く植えられています。秋植え球根ですが、数年間は植えっぱなしで自然に分球しますので、管理も楽なことが人気の要因の一つなのでしょう。

日本へは1980年頃に導入されましたが、当初は全体に小ぶりで、見栄えもしなかったようで人気は出ませんでした。その後、改良が進められて、観賞価値の高いものが作出され、現在に至っています。

花色も青が多いのですが、紫、白、黄、ピンクなど様々です。

植えっぱなしで繁殖力が旺盛ですから、近年は増え過ぎるという現象も見られます。球根が野外に捨てられたり、「勝手植え」と呼ばれているようですが、雑木林などに勝手に植えられて繁茂している光景を目にします。自然植生に影響を及ぼしますので、注意が必要です。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)



ムスカリ    




















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