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《森の植物の歳時記》[242]【サカキ(榊 賢木)】別名 マサカキ(真榊)ホンサカキ(本榊)
神前にお供えする木として知られています。
古来、日本人は常緑樹に霊力を感じ、神様を迎え入れる依代とするという信仰がありました。常緑樹ということで、必ずしも、植物学的に言われるサカキのみではありませんでした。
平安中期になって、植物学的に言われるサカキを「榊」「賢木」と認識されるようになったようです。従って、平安中期以降の神事ではこのサカキが用いられることが多くなったようです。
花のない枝が神前にお供えされることが多いので、花が咲くという認識を持たれない方が多いのでしょうか。夏に小さな白い花を咲かせます。もちろん、結実もします。枝先の芽の形は“薙刀なぎなた”に喩えられます。
日本全国にサカキが自生しているわけでもありませんので、地方によって、“榊”として神前にお供えされる木は異なります。神様が降臨される依代ですから、常緑であることは必須ですが、ヒサカキ(姫榊)やソヨゴ(冬青)が榊として神前にお供えされる地域もあります。常緑広葉樹の少ない寒冷地ではヒノキやイチイなどの針葉樹がお供えされます。
各々の土地に生育している常緑の木が選ばれています。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
サカキ
ヒサカキ
ソヨゴ
ヒノキ
イチイ