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《森の植物の歳時記》 [231]【センダン(栴檀)】別名 オウチ(楝)
抜けるような青空に、黄色い果実が風に揺れる姿が注目されます。
遠目に見ると、数珠がたくさんあるように見えて、「千珠」「千玉」からセンダンに転化したとか、「千団子」のように見えることからとか、名前の由来は諸説あるようです。
別名オウチ(楝 あふち)の語源も、「淡い藤」に由来するなど、諸説あるようです。
初夏に咲く淡い藤色の花も、緑の葉に包まれているようで魅力的です。
万葉集、枕草子など、多くの古典にその名が見られます。
近年、庭木や街路樹として多く植えられていますが、一方で、畑の傍や、雑木林の林縁など、所かまわず生えているのが話題になっています。果実を鳥が食べて、種子を運んだことに因るのですが、環境破壊と問題になったりします。
一方で、センダンが家具材として植栽されて注目を集めています。成長が速く、植樹後、15~20年で伐採できます。傷のつきにくい材は、家具材として使いやすく、地域産業の活性化にも貢献しているようです。
センダンと聞くと、「双葉より芳し」という言葉を思い出される方が多いのですが、こちらはビャクダン(白檀)という香木で、日本には自生しない別種です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
センダン
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