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《森の植物の歳時記》[225]【リンドウ(竜胆)】
晩秋を彩る青紫色の花は、野山で見つけると歓声があがります。
春に咲くリンドウの仲間、ハルリンドウ、フデリンドウなどに比べると、秋のリンドウは草丈は20㌢以上、1㍍近くになるものもあり、花も大振りで注目を集めます。
根を健胃薬として使われますが、苦みが強いことで知られています。強い苦みで知られる熊の胆よりも更に苦いとして、竜の肝、竜胆と名付けられたという説があります。「りゅうたん」が変化してリンドウとなったのではないかと考えられています。
秋に咲くリンドウの仲間は数種類ありますが、自生種に出会える機会は少なくなっています。現在は交配などによって、様々な園芸種が作り出されています。
草丈の低いものや、高温に強いもの、花の数が多いもの、花色もピンクや白など、様々なものが見られるようになっています。栽培しやすいように改良されたものも多く出回っているようです。
秋にリンドウの仲間で話題になるツルリンドウがあります。葉柄が少し長くて、他の植物に引っかけるようにして伸びていきます。夏に咲く花はあまり目立たないのですが、秋に熟す赤い果実は注目を集めて人気です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
リンドウ
ツルリンドウ