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《森の植物の歳時記》 [190] 【ウツボグサ(靭草) 別名 カゴソウ(夏枯草)】


日当たりの良い草地に見られる植物ですが、生育場所が開発されたりして、なかなか見られなくなっているのが残念です。

花穂の形を、矢を入れて腰につけ持ち歩いていた靭(うつぼ)という筒型の容器に見立てての名前と言われています。

6~8月頃、紫色の花を咲かせます。稀に白色やピンクの花を咲かせる株もあります。小さな花が穂状に集まって咲きます。一輪の花の寿命は2~3日なのですが、次々に咲きますので、長い間咲いているように見えます。

初夏から咲く花は、盛夏には花穂が枯れてしまうことからカゴソウ(夏枯草)と呼ばれます。漢方薬として利尿、消炎の効果が知られています。

花が終わるころ、株元からランナーを出して、新しい株を作ります。

シソ科ですから茎は四角形なのですが、よく見ると、花穂も四角形になっています。真上から見ると実感しやすいかもしれません。

花にはマルハナバチなど、ハナバチの仲間が密を求めて訪れます。運が良いと、頭をすっぽりと花に突っ込んで蜜を吸っている姿に出会えるかもしれません。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)





















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