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《森の植物の歳時記》 [175]【ニセアカシア(偽アカシア)】


別名ハリエンジュ(針槐)と言います。

現在、オーストラリア原産で、黄色い花を咲かせるミモザアカシアがアカシアと呼ばれることが多いのですが、モリシマアカシアなどもアカシアの仲間として栽培されています。

これらのアカシアに先がけて、明治時代に北アメリカから日本に入って来たのがニセアカシアです。学名でも、似て非なるアカシアpseudoacaciaという意味の表現になっていますが、一般には“アカシア”で通用してきました。

根に着く根粒菌が空中窒素を固定してくれるので、やせ地に強く、多くの場所で植えられました。蜜源としての評価も高く、アカシアの蜂蜜として売られているのは、このニセアカシアの蜂蜜です。

寒冷地にも強く、成長が速いうえに、材が堅いので薪炭材や炭鉱や鉱山の坑木として利用されました。生活様式の変化と共に需要は激減しました。

豆果は軽い構造になっており、種子は莢ごと風にのって拡散します。

現在では、その旺盛な繁殖力で生態系に影響を与えるとして、「生態系被害防止外来種リスト」に記載され、要注意外来生物の扱いを受けています。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)



ニセアカシア(別名ハリエンジュ)






















ミモザアカシア






モリシマアカシア




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