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《森の植物の歳時記》 [164] 【キュウリグサ(胡瓜草) 別名タビラコ(田平子)】
葉をもむと、野菜のキュウリのような匂いがすることに由来する名前と言われています。もっとも、最近のキュウリはあまり匂いが感じられないような気がします。キュウリグサのような匂いのするキュウリが少なくなっているでしょうか。
秋に発芽して、地面に葉を広げて冬を越します。別名のタビラコはその姿からの名前と思われます。田んぼに葉を広げたような姿ということのようですが、タンポポの仲間のコオニタビラコなどと混乱するので、キュウリグサの方が一般的なようです。
葉を広げて冬を越していますから、寒さの残る春まだ早いころから、スタートダッシュ良く生育して花を咲かせることができます。
3月から5月にかけて、淡い青紫色の花を咲かせます。花茎は渦巻状に巻いており、花は下から順番に咲き上がります。それに従い、渦巻は巻き戻って伸びていきます。開花直後の花は渦巻の真上に当たり、蜜を吸う虫が留まりやすくなっています。
ヒラタアブなど、アブの仲間が花粉を媒介しているようです。
ワスレナグサが同じ仲間の花です。花茎の渦巻、確認してみて下さい。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
ワスレナグサ