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《森の植物の歳時記》 [163] 【ハナニラ(花韮)】
ハナニラは、近年、空き地や道端で白色や淡紫色の花を咲かせているのを多く見かけます。
アルゼンチン原産の植物で、明治年間に園芸種として導入されたものです。耐寒性がある多年草であることに加えて、種子もできますので、旺盛に繁殖しています。
葉の形が野菜のニラに似ており、葉に触れるとニラの匂いがすることから、花がきれいなニラという意味で、ハナニラと呼ばれます。英名ではSpring starスプリングスター、日本でもスプリングスターフラワーと呼ばれたりします。
開花時期も含めて、春期だけ地上に表れます。
花は光のない夜や曇り、雨の日は開きません。太陽の光を受けて開花します。
葉がニラに似てはいるのですが、有毒植物ですので注意が必要です。誤って口にすると、激しい下痢を起こすことがあるとの報告があります。特に幼児や高齢者で反応が強くでるとの報告もありますので、気をつけましょう。
野菜のニラも、蕾が付いているものは「ハナニラ」と呼ばれて、売られていることがあります。こちらは夏の終わりころ、茎の先に小さい白い花が沢山咲きます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
ニラの花