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《森の植物の歳時記》 [152] 【ボケ(木瓜)】
中国原産の植物で、平安時代には既に渡来していたとされています。現在、200を超す数の園芸品種があります。花の色は白い花、赤い花、赤と白の混ざったなどがあります。また、一重咲き、八重咲きなどの花の姿、花の大きさも様々です。茎には短枝から変化した鋭い刺があるのですが、刺のない品種もあります。『ヒボケ(緋木瓜)』など、日本在来のクサボケとの交配で作り出された品種もあります。品種によって花期も様々です。
ボケという名前は、誤解を招くことがある呼び名ですが、中国名の「木瓜」を“もっけ”とか“もけ”と読み、それが訛って“ぼけ”になったと言われています。花には雌しべが不完全な雄花と、両性花があります。
全ての花が結実するわけではないのですが、たまに、秋に大きな果実を着けているのを見かけることがあります。果実は皮が堅く、渋味、酸味が強いため生食には不向きですが、ジャムや果実酒にされます。特に果実酒は香りが良くて人気です。疲労回復、滋養強壮、貧血、咳止め、整腸効果、利尿効果など多くの薬効が知られています。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
ボケの果実
クサボケ
クサボケの果実