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《森の植物の歳時記》 [144] 【セリ(芹)】
春の七草(セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ)の一つとして広く知られています。
水辺や湿地を好んで生育します。春に芽生えて、競り合うように伸びることに由来する名といわれています。地下茎で広がって、摘んでもまた出てくることからツミマシグサ(摘み増し草)とか、シロネグサ(白根草)とか、地方名によっていろいろな名で呼ばれます。
一般に売られているのは栽培品で草丈が高く、緑色が鮮やかですが、自生しているものは草丈は低く、寒さに対応するよう全体に赤味を帯びています。香りも自生しているものの方が強いように感じられます。
去痰,食欲増進,利尿作用.鎮痛作用など様々な薬効が知られています。きりたんぽ鍋など鍋料理には根が美味しいと好まれる方も多いようです。
夏に白い花を咲かせます。小さな花が多数集まって咲きます。アブやハチの仲間も集まりますが、小さな甲虫が白い花の上で動く姿は微笑ましいものです。
葉はキアゲハの幼虫の好物で、食べつくしている光景を目にすることもあります。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
セリの食痕