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《森の植物の歳時記》 [128] 【イソギク(磯菊)】

菊花展の話題を耳にする機会が多くなり、キクの花が美しさを増す季節になりました。

キクの仲間の花は、小さな花が集まって、1個の花の形を形成しています。多くの場合、一番外側に舌状花(ぜつじょうか)と呼ばれる花びらのような形をした小さい花と、内側に筒状花(とうじょうか)と呼ばれる小さい花が集まって、1個の花を形成しています。

イソギクは舌状花がなくて、筒状花だけの花です。

葉裏に多くの毛があり、分厚くなっています。名前の通り、磯の近く、海岸の崖などに自生しています。分厚く、毛の多い葉は海岸の潮風に対応できるよう進化したものと解説されています。近年は庭に植えられたりもしています。

庭に植えられて、普通のキクと交雑して、舌状花のあるものが咲いたりする現象が多く報告されるようになっています。“ハナイソギク(花磯菊)”という名前で呼ばれています。

花は普通のキクなのですが、葉裏に多くの毛が見られる交雑種も出現しています。

庭の中という限られた空間で繰り広げられる植物の生き残りの技とでも言いましょうか。



廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)



































キク(菊)





ハナイソギク(花磯菊)


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