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《森の植物の歳時記》 [126] 【マユミ(真弓 檀)】
柔軟性に富む材質で、弓の材料とされたことが広く知られています。
万葉集にも見られます。「引く」「張る」などにかかる枕詞として詠まれている歌も多いようですが、相手の気を引くなどの意味にも使われています。
「ユミ(弓)」に人や物を美化する接頭語「マ(真)」を付けたことが語源とされています。
樹皮の繊維が強く、奈良時代には紙の材料とされたこともあったようですが、平安時代になって、紙質がより勝るコウゾに代わりました。
雌雄異株です。春に咲いた雌花は夏に角張った実をつけます。緑色から秋にピンク色になり、四裂して赤い種子が飛び出します。種子は少量でも吐き気や下痢を起こしますので、くれぐれも口に入れないように、注意が必要です。
良く間違えられるのがツリバナです。ぶら下がるようにつく果実がマユミのように裂開しますが、こちらは五裂します。
福島県中央部の本宮市が、市の木マユミをPRするために「まゆみちゃん」というイメージキャラクターを登場させて話題になりました。マユミの果実が頭にデザインされています。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
マユミの雌花
マユミの雄花
ツリバナの実