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《森の植物の歳時記》 [123] 【紅葉】③
紅葉(もみじ)前線という言葉を耳にする季節になりました。
紅葉前線はイロハモミジの紅葉の具合を追います。カエデの仲間でも、種が異なると、紅葉の進み具合に差が出ます。また、情報収集には誰でもが知っているカエデの仲間に限定する必要があることも理由です。
気温の低下で起こる紅葉は、北から南へ、山の高い方から低い方へと進みます。
それでは、1本の木で起こる紅葉に注目してみましょう。
多くの落葉広葉樹は、春に一斉に芽吹きます。1本の木の葉は、全て同じ歳と考えられます。紅葉は、無粋な言い方ですが、葉っぱの老化です。同じ歳ならば、より紫外線に強くさらされる葉が早く老化することになります。紫外線にさらされた肌荒れを想像してみて下さい。という訳で、1本の木では一番上、外側から紅葉は始まります。
街路樹のように途中で剪定される木は、剪定後、芽吹くこともあります。そうなると、剪定されなかった幹に近い枝につく葉は古い葉で、内側の古い葉から老化をして色づきます。
お近くの紅葉、黄葉にちょっと目を向けてみませんか。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
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