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《森の植物の歳時記》 [118]  【ピラカンサ】

秋になると生垣を華やかに彩る木の実です。春に白い花を咲かせます。

赤色の実をつけるのは南ヨーロッパ、アジア西部原産で、日本名はトキワサンザシ(葉が常緑のサンザシ)、柿色の実をつけるのは中国西南部原産で、日本名はタチバナモドキ(タチバナに似て非なるもの)と言います。

他にも園芸種を含めて、数種ありますが、総称としてピラカンサと呼ばれています。主に明治の中頃、日本に入ってきました。

常緑であることや、枝に刺が多いことなどから、生垣に植えて防犯効果を期待したとも言われています。

秋を彩る果実は綺麗なのですが、タンニンを含むため食用にはなりません。晩秋になると、ムクドリ、ヒヨドリ、メジロ、ジョウビタキ、カワラヒワなど多数の野鳥がついばみ、種子散布に貢献します。野鳥の餌になる実の少ない都市部では色づくとすぐに食べられてしまいますが、餌の多い郊外では、いつまでも残っているとの報告もあります。

堺市の海沿いにある「共生の森」では、植えられたピラカンサにタヌキが登って、実を食べている光景が確認されたとの報道がありました。



廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)



































サンザシ





タチバナ


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