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《森の植物の歳時記》 [103] 【カリガネソウ(雁金草・雁草)】
花の姿を鳥のカリ(雁)の飛翔する姿に見立てた名と言われています。ちょっと湿り気のある林縁部などに自生する多年草です。花の姿から、ホカケソウ(帆掛草)の別名もあります。
晩夏から初秋にかけて、爽やかな青紫色に白い斑点のある花は何とも優美に見えます。
花弁から突き出るように伸びる雄しべと雌しべは下向きに湾曲します。花の蜜を求めて訪花したハナバチなどの虫の背中に花粉をつけて、受粉を有利に行う花の戦略のようです。花弁にある斑点は、蜜標(みつひょう)とかネクターガイドと呼ばれ、虫に蜜の場所を教えていると考えられています。
受粉後、結実してできる種子は4個がきっちり収まっています。
非常に魅力的な花なのですが、茎や葉に触れると何とも言いようのない臭いがして、驚かされます。臭いの故でしょうか、虫に食べられているのを見ることは稀です。シカも食べないという報告もあります。
たまに白色やピンクの花を見かけます。また、同じ仲間で、熱帯アフリカ原産の植物がブルーエルフィンなどの名前で売られているのを見かけます。(最後の写真は「ブルーエルフィン」です)
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
ブルーエルフィン