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《森の植物の歳時記》 [95] 【キツネノカミソリ(狐の剃刀)】

木漏れ日の中で咲き乱れるオレンジ色の花は、どこか儚げで、幻想的で、心惹かれる光景です。猛暑の中で出かけなければ見ることのできない景色です。

ヒガンバナの仲間で、花の時期には葉がありません。早春に出る葉が剃刀のように見えるという意味のようです。春早い時期、木々が葉を広げる前の雑木林に射し込む光を受けて、葉は光合成を行い、養分を溜めます。雑木林に夏が来て、草木が繁って光を独占できなくなる頃には葉を枯らして、花を咲かせます。

オレンジ色の花はアゲハチョウの仲間が好んで集まります。

同じ仲間のヒガンバナやナツズイセンは渡来種で、一般には結実しないのに対して、キツネノカミソリは在来種で、結実します。4×3.5㎜と比較的大きな円形の種子を作ります。斜面を転がるように移動して分布を広げます。斜面の下の方に多く生育する所以です。

地方によっては、ヒガンバナのことをキツネノカミソリと呼ぶところもあるようです。

九州方面には変種でオオキツネノカミソリが自生します。全体に大振りで、雄しべ、雌しべが花弁よりも長く突き出しています。

廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)























































 


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