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《森の植物の歳時記》 [81] 【ケンポナシ(玄圃梨)】

【ケンポナシ(玄圃梨)】

馴染みのない名前の植物ですが、いわゆる「里山」と呼ばれる地域には残されていることの多い植物の一つです。秋になると果柄の部分が膨らんできて、ほんのりとナシの味がするのが名前の由来です。

小さい花が群がって咲きます。花盤から染み出す蜜は知る人ぞ知る極上のお味です。市場に出回ることが少なく、入手が難しいのが残念です。花が咲き始めると、すぐにハチの仲間が群がるように飛び回ります。

秋、果柄が膨らんで黒くなってくると、枝ごと落ちます。採取のタイミングです。落ちた枝を拾って、果柄の部分を食べます。召し上がった体験からでしょうか、ご高齢の方に「懐かしい!」とおっしゃる方が多いようです。

動物は甘い果柄を食べるために、先端に着く丸い果実を一緒に口にして、種子散布に貢献します。タヌキの糞のなかに種子が多く確認されているとの報告もあります。

近年、葉も含めて、口臭予防効果があるとか、二日酔いに効果があるとかの報告があり、ガムや飲み物に使われたりしているようです。



廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)



































 


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