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《森の植物の歳時記》[73] 【アジサイ(紫陽花)】
【アジサイ(紫陽花)】
梅雨を彩る花として人気の高いアジサイです。日本在来の植物で、ガクアジサイ(額紫陽花)が原種の一つです。装飾花と呼ばれる花の周りで目立つ花と、中央に集まる小さい花の集団で構成されています。周りを飾る装飾花は虫を呼ぶ役割です。中央に集団で咲いている花が生殖に関わる両性花で、種子繁殖もできます。
花の色が変化することから、心変わりとか、節操のなさなどのイメージが付きまとい、かつてはあまり良い印象では捉えられていませんでした。
アジサイの色は土が酸性かアルカリ性かが大きく影響します。土が酸性ですと青色、アルカリ性ですと赤色を呈します。土中のアルミニウムは酸性の土壌で溶かされ、根から吸収されやすくなります。吸収されたアルミニウムはアジサイの持つ色素、アントシアニンと反応して、青色を呈します。土の酸性度が一様でないと、同じ株でも花色が代わることもあります。
現在では、北米原産のアナベルやカシワバアジサイなど、白色の花のアジサイの仲間や、渦紫陽花や墨田の花火など、様々な園芸種が作出されて人気を集めています。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)