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《森の植物の歳時記》[62] 【ヒトツバタゴ(一葉タゴ)】(別名:ナンジャモンジャ)
【ヒトツバタゴ(一葉タゴ)】(別名:ナンジャモンジャ)
ヒトツバタゴは近年、造園木として植えられて話題になる木です。本来、隔離分布と言われ、木曽川流域の一部と長崎県対馬にしか自生していない珍木です。別名ナンジャモンジャと呼ばれます。
そもそもナンジャモンジャとは、元来その地方では見られない樹種の大木をさしていう呼名で、様々な木がそう呼ばれています。千葉県では香取郡にある神崎神社のクスノキがナンジャモンジャと呼ばれていることが知られています。
さて、この季節に白い花を咲かせるヒトツバタゴですが、江戸時代、青山六道の辻(現在は明治神宮外苑内)の人家にあって、名前が分からないことから「ナンジャモンジャ」とか「六道木」と呼ばれていたものが有名です。(現在では何代目かの木が守られています。)
神宮外苑にあります聖徳記念絵画館壁画「凱旋観兵式」は、式典に臨まれた明治天皇を描いたものですが、遠くに描かれた木が六道の辻のヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)だと言われます。
明治神宮の境内でも、咲き乱れる白い花はひときわ目を引きます。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)