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《森の植物の歳時記》 [60] 【ハナイカダ(花筏)】
【ハナイカダ(花筏)】
優雅な和菓子をイメージしてしまうような名前の植物です。
春の雑木林で緑色の葉っぱの上に、小さな緑色の花が咲かせます。葉っぱの上に花が咲く?と不信に思われる方が多いようです。花柄が葉脈と合体した姿をイメージしてみて下さい。葉の付け根から花のところまでの葉脈が、花より先の部分と比べて太くなっています。
「昔々、神様から花の咲かせ方、タネの作り方を教わる機会がありました。その時、ちゃんとお話を聞かないではしゃいでいたハナイカダさんは、葉の付け根に着けるべき花芽を葉の真ん中に着けてしまいました。ちゃんとお話を聞いていなかった罰として、神様は花の色を緑色にして、雄株と雌株を別々にし、実は黒くしてしまわれました。他の植物と違う姿に、ハナイカダさんは泣いてしまいました。かわいそうに思われた神様は、実を美味しくして、鳥が集まるようにして下さいました。」こんな物語が伝えられている隠れた人気者です。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)