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《森の植物の歳時記》 [58] 【ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)】

【ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)】



雑木林の林縁や草原で咲く姿が可憐で人気です。花の色は淡紅紫と表現されることが多いのですが、生育場所によって変異が多いようで、稀ですが白花もあります。茎につく花は小さく、数も少ないのですが、群生することが多く、お互いに寄りかかりあっているように見えます。

花の後ろに“距(きょ) ”と呼ばれる突き出た部分があります。蜜の溜まっている部分で、花のサイズに合う小さい虫が潜り込みます。

伊勢地方では子供たちが、スミレやジロボウエンゴサクの距を引っかけて引っ張り合って遊んでいたとか。スミレを太郎坊、この花を次郎坊と呼んでいたのだそうです。

エンゴサク(延胡索)は、ヤマエンゴサクなど、数種類あるこの植物の仲間の地下にある塊茎を干したものを漢方で呼ぶ名前です。鎮痛剤として胃痛、胸やけ、腹痛などに効果があるとされています。



全体に小ぶりですが、葉の縁も丸く、何となくほっこりした雰囲気で少し遅めの春を演出します。



廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)



































 



 


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