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《森の植物の歳時記》㊹ 【ホトケノザ(仏の座)】

【ホトケノザ(仏の座)】



休耕の畑地など、日当たりの良い草地で見られる日本在来の植物です。四角い茎を抱く二枚の葉を仏様の蓮座に見立てた名前です。春、ハナバチなど、虫の活動が活発になるころ、筒状の花の奥に虫を誘います。入口の下唇のような花弁は虫が足を掛けるのに都合が良いようです。

葉に埋まるように色の濃い蕾のようなものが見えます。閉鎖花と言って、開かないままに結実する仕組みの花です。虫が来てくれないときでも、確実に子孫を残そうとしている姿です。

種子にはエライオソーム(脂肪酸やブドウ糖を含む付属物)があり、アリによって巣に運ばれます。エライオソームを食べられた種子は巣の外に捨てられます。その結果、アリの巣の近くでは芽生えの姿を多く見かけることになります。

仏の座と聞くと、春の七草をイメージされる方が多いと思いますが、こちらはコオニタビラコ(小鬼田平子)、タンポポに近い植物で、田んぼのような場所で黄色い花を咲かせます。広げた葉の姿を蓮座に見立てたと言われます。



廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)































ホトケノザの発芽









コオニタビラコ


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